アロエを手に入れよう 園芸店に行くとキダチアロエ、アロエベラ、不夜城などを売っています。好みによって選ぶとよいと思いますが、葉を利用するのでしたら、不夜城は葉が小さい分不向きです。観賞用にするにはよいと思います。 選ぶときのポイントは、葉の肉厚と色そして葉の間隔です。色が濃く、肉厚が十分にあるものは健康なアロエです。ただし,屋外で育てられているものの中には葉が少し黄色になっているものもありますが,これも元気なアロエだと思います。また,キダチアロエや不夜城では葉と葉の間隔が狭いほうが光が十分に足りている丈夫なアロエです。 買う時期ですが、アロエは低温に弱く、特に雪や霜は大敵です。冬でもアロエは売っていますが、手に入れるのはなるべく冬をさけましょう。 水やり アロエはサボテンと同じように多肉植物です。ですから、よく「水をやりすぎないように」といわれます。たしかに水が少なくても枯れることはほとんどないのですが、私の経験上、水が少なすぎると葉の肉厚が薄くなり、みずみずしさがなくなってしまいます。夏場,外に出しているものなどは毎日水をやっても枯れることはありません。大切なことは水はけのよい土を使うということです。土については下のほうでもう一度触れますが,水をやったときに土の表面に数秒間水がたまるような土はアロエには向いていません。 冬の管理 上にも書きましたが、アロエは低温に弱いので,冬の管理は気をつけましょう。特に霜にあたったり、雪が葉に積もると、葉がお湯で煮たように柔らかくなります。こうなるとその葉はまずもとに戻りません。霜や雪にあたる可能性が出てきたら、屋根があるところに移してあげましょう。 雪や霜にあたらなくても、冬はその気温によって徐々に葉が茶色になってきます。しかし、ここで「枯れてしまった」とあきらめないでください。管理さえしっかりしていれば、春になり、暖かくなると、また緑がよみがえってきます。 春,夏,秋の管理 普段あまり見かけない珍しいアロエの中には直射日光のような強い光を嫌うアロエもあるようですが,「キダチアロエ」や「アロエベラ」「不夜城」のような園芸店でもよく見かけるようなアロエは,しっかりと日光を当ててやったほうが良いでしょう。 上に書いたように,冬は霜などのあたらない所に移したほうがよいので,ついそのままにしてしまいがちですが, 成長期である春から夏にかけて,室内などのあまり陽のあたらない所に置いていると,葉が「細い,薄い,長い」と間延び(徒長)した感じになります。スーパーの園芸コーナーなど,蛍光灯の下で長いこと売れ残っているアロエにこのようなものが時々見られます。また,葉についているトゲもやわらかく,ぜんぜん痛くないようなものになるときもあります。 逆に,しっかりと日光に当ててやると1枚1枚の葉が肉厚でしっかりしたものになり,葉と葉の間隔も詰まって力強い感じになります。 ですから,春から秋にかけては半日くらいは直射日光のあたる外に出しておいたほうが良いと思います。(台風のときは屋内に避難させましょう) 植えかえと増やし方 キダチアロエやアロエベラ,不夜城などはうまく管理してやると、仔株がどんどん出てきます。地面に直に植えている場合はこの仔株がどんどん成長し,そのあたりが「アロエの森」になっていきます。しかし、鉢植えをしている場合は仔株がたくさんのぞいた状態では、親株の育ちが悪くなります。 |
植えかえの手順
1 | アロエを土ごと鉢から出す。 少し引っ張っても出てこない場合は,次のことを試してみてください。 ・鉢の裏側の水抜きの部分を見て,もし,根が鉢の外まで出てきていたらその部分を切り取る。 ・鉢を真横より少し下に向け,鉢を手でたたくか,何かに軽くぶつけてみる。 ・それでもだめなら,細いものさしやクリーニングの針金ハンガーなどを土と鉢の間に差し込み,すき間をつくる。 |
2 | 土を少しふるい落とし、仔株や仔株のもと(太い根のようなものの先に白や黄色の芽のようなものがついている)を切り取る。(仔株を増やしたい場合は残してもいいです) 仔株にもし根が出ていれば,その根を付けたまま切り取ると仔株の育ちがよい。 |
3 | 長くなりすぎた根は切り取る。 |
4 | アロエが大きくなっていれば,それまでのものより一回り大きい鉢を準備する。 |
5 | 鉢底に少し厚めに石を敷きつめ、園芸用の土で植えていきます。 園芸用の土では「花と野菜の土(すぐに使える)」というものをよく見かけます。値段も手ごろで,手に入りやすいのですが,保水性が少しよすぎて多湿を嫌うアロエ(多肉植物)には向いていないような気がします。 そこで,アロエ用の土として自分でブレンドしてみるとよいと思います。たとえば私の場合は 「赤玉土」(小粒と中粒を半々)・・・5,「腐葉土」・・・3,「川砂」・・・2 を混ぜて使っています。 さらに,岩石を高温処理して作った人工用土「バーミキュライト」や「パーライト」は排水性と保水性のバランスをよくとってくれるし,通気性もよく,軽いので,水のやりすぎに気をつけないといけないアロエなどの用土には,これを1〜2割程度混ぜておくとよいと思います。 ちなみに,「排水性」と「保水性」は本来相反する性質だと思うのですが,このバランスをうまくとるということは,余分な水は蓄えない(排水性)が,適度な湿り気は残してくれる(保水性)ということだと思います。 すでに「花と野菜の土」のようなものを持っているという方は, 「花と野菜の土」・・・2,「赤玉土」・・・2,「川砂」・・・1,「パーライト」・・・1 くらいに混ぜ合わせて使うとよいと思います。 鉢植えの場合,水をやったときに,その水が土の上から消えるのに数秒間かかるという場合は,排水性がよくないと思います。砂やパーライトを加えてやるとよいと思います。 排水のよい土を使うと,水をじっくりやっても土の表面に水がたまるという状態を見ることがありません。 また,植え終わった後、土の表面に「赤玉土」を薄く敷きつめると土の乾き方がよくわかります。 一般的に鉢物を植え替えたときには,水をしっかりとやることが多いのですが,アロエの場合は植え替えによって根が弱っているときに水をやると根腐れを起こす場合もあるので,根が土になじむまで2,3日水をやらない方がよいようです。 上にも書きましたが,アロエは土がカラカラに乾いた状態でも1ヶ月くらいなら平気で持ちこたえますから,大丈夫です。 |
6 | アロエの種類によっては,仔株からすでに根が出ているものもあります。その場合,仔株にある程度の大きさがあり,根も十分伸びている場合は,親株の植え替えと同じ方法で植えなおしてください。 仔株を植え替えるとはじめの数週間は葉の色が一時的に悪くなる場合があります。ここで,「失敗して,だめにしてしまった。」とあきらめないでください。水をやるのを少なめにして管理していると2,3ヶ月でもとの緑に戻ってくれます。 根が出ていない仔株については,次のやり方で植えなおしてください。 |
仔株によっては根がまだ出ていないものもあります。 また,アロエの種類によって,仔株に根が付く場合とそうでない場合に分かれます。 アロエベラなどは仔株が親株の根の部分につき,仔株が顔を出せばほとんどの場合,根が付いていますが, キダチアロエは親株の茎の部分から仔株が顔を出し,その状態で仔株から根が出ることはありません。 キダチアロエなど仔株から根が出ていない場合の株分けは次のようにします。 |
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1 | 仔株をなるべく下のほうからはさみなどで切り取る。 |
2 | 1週間程度、日陰で乾燥させる。色が少し悪くなりますが、かれたりはしませんから心配しないでください。 この陰干しをしないと、植えたときの根のつきが悪かったり、ぜんぜん根が出なかったりします。 2,3ヶ月以上日陰に干しておくとそのままで根を出してきます。仔株は少しひからびたようになっていますが,枯れているわけではありません。 このように根が出てくるのを待って土に植えるのも1つの方法です。 |
3 | 乾燥させた仔株を鉢に植える(挿し木の要領)。このとき、はじめの2週間くらいは水をやらないようにする。(その後も,まだ根が出ていないようであれば,水やりは2週間に1度程度にする) 挿し木にして,しばらくの間は葉の色がどんどん悪くなることがあります。しかし,ここで「だめにしてしまったかもしれない」とあきらめないでください。そのうち葉に緑が戻ってきます。緑に戻ってくれたら根がついた証拠です。 このときに使う土には,肥料を混ぜない方がいいと思います。園芸用の土には初めから肥料が混ぜてあるものもありますから,注意してください。もし,肥料が混ざっているかどうか分からないときは,赤玉土,腐葉土,砂を混ぜて土を作るといいと思います。 この場合,腐葉土は少し少なめにする代わり,砂を多めにするとよいです。 |
4 | 早ければ2〜3週間程度すると根が出てきているはずですから(見た目にはわからない)後は表面が乾いたら水をやる。根が付かずにそのまま枯れてしまうこともありますが,根がつくまで1ヶ月〜2ヶ月程度かかる場合もあります。あきらめずに待ってみてください。 |